簿記検定3級ネット試験の合格戦略

 

2020年12月から導入された簿記ネット試験。

戦場が「紙」から「パソコン」に移行しただけ、と思いがちですが、全く別のテストが誕生した、と思っておくと良いでしょう。

配点、試験時間、持ち物に変化が生じております。

 

ゆえに、紙試験の対策をそのまますると、本番で痛い目にあうかもしれません。

わたし自身、相当痛い目にあって沼にハマってきた身です。

なんと、3回不合格になり、4回目で合格を果たしてきました。

簿記 ネット試験 合格証

各スコアの変遷は次の表の通りです。

日付 総合得点 問1(45) 問2(20) 問3(35)
2021-02-24 51 33 6 12
2021-04-22 58 36 12 10
2021-04-28 58 36 5 17
2021-05-07 86 39 15 32

なぜ、3回目から4回目で飛躍して合格圏内に滑り込めたのでしょうか?

それは一度立ち止まって合格戦略を練り直したからに他なりません。

 

辿り着いた簿記検定3級ネット試験合格戦略

ネット試験とペーパー試験の違い」でも触れましたが、ネット簿記試験では以下の配点になっております。

  • 問1 仕訳問題 45点
  • 問2 勘定記入・補助簿・適語補充 20点
  • 問3 決算 35点

そして、合格点は70点。

 

不合格を連発していた時は次のアホ戦略をとっていました。

第1問の仕訳を完璧にして45点を獲得。

加えて「優しそうな」問2も完璧にして20点をもぎ取って65点。

そして、最終問題の決算は辛うじて10点とって、合計75点。

これで合格や、と考えていたのです。

 

しかし、先ほど告白したように、この杜撰な戦略で惨敗を繰り返しました。

仕訳は毎度1~2問(安定して)落としていましたし、問2は出題スタイルが多すぎて、もはや運。

そして、問3の決算は時間が足らなすぎ、損益計算書と貸借対照表を時間内に完成できません。

その結果、合格点から10点足りない状態が続いていたんですね。

 

問1と問3対策に時間を割く

そこでわたしは戦略をガラッと変えました。それは

問1と問3を完璧にする

です。

まず、取るべきパートを変更しました。

  • 第1問の仕訳45点
  • 第3問の決算35点

この2問を完璧にすれば、単純計算80点取れます。

もはや、問2は捨てと考えました。

 

試験対策もガラリと一変させ、

「仕訳」と「決算」を最優先させました。

つまり、従来の紙試験における「問1」と「問5」ですね。

この戦略に切り替えてから『日商簿記3級 過去問題集』を購入し、「問1」と「問5」だけ解きまくりました。

出題スタイルが安定しない問2・4はスルーすることはもちろん、試算表の問3も素通り。

「ネット試験の問2を捨てる理由」は、出題スタイルがバリエーションが多すぎ、山が外れる可能性が高いからです。

その一方、出題スタイルが確定している「問1」と「問3」に時間を割くことで、この2問で確実に取れるようにしました。

 

問題を解く順番も変える

本番で解く順番も変更しました。

これまではご丁寧にも、問1、問2、問3という順番で解いてきましたが、これではいけない、と気づいたのです。

なぜなら、合否を決定づける「問3」にかけられる時間が足りないからです。

貸借対照表・損益計算書の完成は諦め、採点対象になりそうな穴を埋めていました。

 

そこで思い切って、解く順番を変え、

問1 → 問3 → 問2

に変更。

問1 と問3はじっくり解いて満点を目指します。

先ほど触れたように、これらが満点ならば80点で合格圏内です。

この「解く順番を変える」戦術によって、問3の決算に余裕を持って取り組め、完璧に損益計算書・貸借対照表を仕上げられたことが合格につながりました。

 

100点を取りに行く

そして、もう1つ。

目標点数を「100点」としたことです。

先ほど「問2は捨てる」と言いましたが、心の中では「100点を取るつもり」で勉強し、テスト当日も100点をとる気持ちで臨みました。

不合格を連発していた時は、

「70点ギリギリで合格できればいい」

と思っていたのです。

 

人は目標からちょっと下回る結果に着地するようできているようです。

70点を目標としていた当時、目標から10点以上下回る60点未満に沈んでいました。

「だったら、もう、100点とっちゃおう」

と意識変革することで、不合格沼から脱却できたのです。

 

この意識の差が、日々の学習、本番での行動に現れたのかもしれません。

「100点」を目標としていたところ、それより14点下回る86点で終わることに。

結果的に目標から14点下回っていたので、70点を目標にしていたら、14点低い56点に沈んでいたかもしれません。

欲をいえば、120点を取る気合いで勉強し、本番に臨んでいれば、もしかしたら100点を取れたかも、と思ってしまいます。

 

今回の知見は簿記3級に限らず、すべての試験で大事なポイントです。

合格ラインぴったりを目指してはいけません。

合格ギリギリ着地を目指すと、不合格に終わる可能性は高いです。

逆に、合格ラインを大幅に上回る超高成績を目指せば、知らずのうちに合格できるはずなのです。

 

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これから受験される方はよかったら参考にしてみてください。

 

それでは!

Ken