ITパスポートの表計算ソフトでは、
全24の関数
が用意されていて、一応、すべて出題される可能性はあります。
ということで、ここではひとつひとつの関数の使い方を見ていきましょう。
ITパスポートでよく出てくる関数
定番の関数から紹介します。
合計の関数
()中のセル範囲に含まれる値を合計できる関数です。
エクセルだと「SUM関数」に当たりますね。
使い方はこちら。
合計(セル範囲)
例えば次の表があったとします。

この時、
合計(B1 : B4)
を発動すると「B1〜B4」にあるセル値を足した数が出てきます。
今回の例でいうと、
B1 + B2 + B3 + B4
= 4 + 5 + 1 + 2
= 12
が出力されます。
平均の関数
()中のセル範囲にある数値の平均を算出します。
使い方は以下の通り。
平均(セル範囲)
例えば、次の表があったしましょう。

この時、
平均(B1 : B4)
を使うと、セル範囲「B1~B4」の平均値が返ってきます。
(B1 + B2 + B3 + B4)÷ 4
= (4 + 5 + 1 + 2)÷ 4
= 3
IF関数
実によく出てくるのがIF関数。
使い方は以下の通りです。
IF(論理式, 式1, 式2)
最初の論理式がTRUE(正しい)場合、式1が出力されます。
一方、論理式がFALSE(間違っている)場合、式2がセルの値になります。
例えば、次のワークシートを考えてみます。

このとき、C2に次のIF関数を入れてみましょう。
IF(A2 > 70, “合格”, “不合格”)
この場合、
数学の点数(A2)が70より大きければ「合格」、それ以外は「不合格」が出力されます。
A2は70より小さいので「不合格」がC2に入るはず。
整数部の関数
セル数値の「整数分」を抽出できる関数です。
使い方は次の通り。
整数部(算術式)
()内の値以下で最大の整数を出力してくれます。
例えば、
整数部(5.7)
だったら、5.7以下で最大の整数「5」が返ってきます。
なるほど。
入力の「整数部」を返してくれる関数なのか・・・・
と思うかもしれませんが、油断することなかれ。
入力が「負の数」のときは注意が必要です。
負の数が入った場合、
絶対値は大きくなるのです。
例えば、
整数部(-5.7)
ならば、「-5.7」以下で最大の整数を出力するはずですよね。
冷静に考えてみると、「-5.7」以下で最大の整数は「-6」です。
単純に「整数部だから、-5でしょ?」と考えると、間違える危険を秘めています。
負の数を入力した場合は、入力よりも絶対値は大きなる、と肝に銘じておきましょう。
この事情は数直線で考えるとわかりやすいです。

負の数の場合、その数より小さい数は左側に位置するはず。
ならば、絶対値はその数よりも1つ大きくなりますよね。
剰余の関数
ある数を割った時の余り(剰余)を算出する関数。
使い方は以下の通り。
剰余(算術式1, 算術式2)
例えば、
剰余(11, 2)
ならば、1が出てきます。
なぜなら「11÷ 2」を計算したら商が「5」で、余りが「1」ですからね。
今回はその余りの「1」が出力されたわけです。
ただし、剰余関数でも入力が「負の数」なら注意が必要です。
負の数の場合、単純に割った時の余りではなく次の関係式で算出します。
剰余(x, y)= x – y * 整数部(x / y)
例えば、
剰余(-11, 2)
を考えてみます。この場合、上の式でいうと「x = -11」、「y=2」ですので、
剰余(x, y)
= x – y * 整数部(x / y)
= -11 – 2 * 整数部(-11 / 2)
= -11 – 2 * ( -5 )
= -1
で、結果は「-1」です。
ITパスポートで出るかもしれない関数
過去に出題されたことはありませんが、これから出る可能性がある関数を紹介します。
最大の関数
入力したセル範囲で最大値を出力する関数。
最大(セル範囲)
例えば次のワークシートを考えてみます。

このとき、
最大(A2 : B5)
とすると、セル範囲(A2 : B5)の中の最大値であるB2の「97」が出力されるはず。
最小の関数
入力のセル範囲中で最小値を出力する関数です。
最小(セル範囲)
例えば次のワークシートがあったとします。

このとき、
最小(A2 : B5)
とすると、セル範囲(A2 : B5)で最小値のA2の「21」が出力されるはず。
個数の関数
セル範囲のデータ数を出力してくれる関数です。
つまりは「空白ではないセル数」を数えてくれるんですね。
使い方は以下の通り。
個数(セル範囲)
例えば次のワークシートで、

個数(A2 : B5)
を発動すると、セル範囲(A2 : B5)の中のデータ数「8」が返ってきます。
平方根の関数
入力の平方根を出力できる関数です。
平方根(算術式)
例えば、
平方根(4)
ならば「4の平方根」が出力されるので「2」が返ってきます。
ここでの注意点は、正の数しか入らないこと。
負の数の平方根は虚数になるのでエラーが出てしまいます。
条件付き個数
あるセル範囲から「ある条件」に当てはまるセル数を出力できます。
使い方は以下の通り。
条件付き個数(セル範囲, 検索条件の記述)
例えば、次のワークシートがあったとします。

このとき、
条件付き個数(A2 : B5, > 80)
とすると、セル範囲(A2 : B5)中で「80より大きい値」を数えてくれます。
この場合、80より大きいセル値は
- B2
- B4
の2つですので、出力は「2」になるはず。
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それでは!
Ken

スーパー勉強家。独学でテストをハックする情報を発信します。
こんにちは。まとめて下さって本当にありがとうございます。理系の大学1年の息子と
一緒にこのページで何日かにわけてExcel関数を学習でき、とてもためになりました。
ところで、剰余(-11, 2)の所で、息子が間違いに気づきました。
グレー背景の計算過程で、3行目、整数部( -11/2 )の結果を、次行で (-5)とされています。
これは誤りで、直前の整数部 関数で解説されてお陰様で理解できたのですが
整数部( -5.5 )は、(-6)になるはずです。
Excelで確認し =MOD( -11,2 )の結果は、-1じゃなく1になったので、間違いないと思います。
よろしくお願いします。