今回はITパスポート試験の過去問で表計算の問題が出題された、
平成21年春季の過去問題
にチャレンジしてみましょう。
セルA1~A10に表のような数値が入力されており, セルB1~B10に計算式が入力されている。 このときのセルB1~B10の計算結果とセルC1~C10の計算結果がそれぞれ同じ数値となるようにするために, 最初にセルC10に計算式を入力し, 次にセルC10をセルC1~C9に複写したい。 セルC10に入力する計算式として, 正しいものはどれか。

- ア 合計(A$1~A10)
- イ 合計(A$1~A$10) – 合計($A$1~A10)
- ウ 合計(A$1~A$10) – 合計($A$10~A10)
- 工 合計(A$1~A$10) – 合計($A$1~A10)+A10
(ITパスポート試験 平成21年度 春期分 問87より)
この問題のゴールは、
「B1〜B10」と「C1~C10」の結果が瓜二つになること。
つまり、まずは値がわかっている「B1〜B10」に何が入るのかを考えねばなりません。
B1からB10に入っている計算式をスラーっとみてみると、こ、これはズバリ、
A1を上から順にA10まで足し上げる計算プロセス
ではありませんか。
つまりC10に入る値は、
A1からA10をすべて足した数値
になるはず。
この時点で、計算結果がゼロになる「イ」と「エ」の選択肢は消去できます。
さて、残る選択肢は「ア」と「ウ」ですが、まず「ウ」をみましょう。
「ウ」の前半の数式「 合計(A$1~A$10) 」は行番号に絶対参照がついています。
したがって、C10からC1まで計算式を複写した時にも、行数は動きません。
前半の「合計(A$1~A$10)」は、C10からC9に複写したとしても、ずーっと「A1~A10」を足したものに相当します。
次は、後半の「合計($A$10~A10)」に注目してみます。
こちらは「$A$10」が行数列数ともに絶対参照になっていますが、「A10」は相対参照になっています。
つまり、複写すると、列も行も動くのです。
C9にC10の式を複写すると、A10が1行上に動くので、
合計($A$10~A9)
になるはず。
つまり、C9に複写した場合の数式は、
合計(A$1~A$10) – 合計($A$10~A9)
となります。これは A10からA9までの値をA1~10の合計から引いている値、つまり、
A1~A8の合計値になります。
左隣のC9は「A1~A9の合計」になっていますから、これではB9とC9が一致しませんよね。したがって、選択肢「ウ」もおかしいわけです。
さて、残る選択肢「ア」をみましょう。
合計(A$1~A10)
セル範囲の開始が「A$1」となっていて、列番号に絶対参照が入っています。
ということは、C10の計算式をC9に複写したとしても、行が1つ上に動きますので、計算式は、
合計(A$1~A9)
になるはず。
つまりこれは「A1からA9まで合計したもの」に等しくなりますので、これはB9に入る数値と一緒です。
ってことで、長くなりましたが、この問題の正解は「ア」です!
以上、わたしなりの解法を紹介してきましたが、この問題をとくために必要な知識は、
「相対参照と絶対参照の違い」です。
こちらの記事にて「表計算ソフトの複写」を解説していますので、知識があやふやになっている時は復習してみてください。
それでは!
Ken

スーパー勉強家。独学でテストをハックする情報を発信します。
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