中国人作家が放ったSF小説『三体』。
SF小説ですから、サイエンスやテクノロジー用語が頻出し、難しいことは難しいんです。
ただ、ストーリー自体はなぜかわかりやすく、理系に疎くても読み通せるではありませんか。
『三体(二)』の解説によると、この小説では「二項対立」を使ってストーリーを仕上げていたことが要因の1つとして挙げられていました。
わたし自身もその「わかりやすさ」にはまってしまい『三体(一)』から『三体(二)』を読み、現在は『三体(三)』の翻訳待ち状態です。
さて。
『三体(二)』では「面壁者」に選ばれた主人公「羅輯(ルオジー)」が出てきます。
彼が面壁者として、三体人の襲来を阻止する物語を描いています。
中心人物といえる「羅輯」が、作中で「試験の回答テクニック」を紹介していたんです。
考えはじめたとたん、羅輯は思考がすでに進行していることに気づいて驚いた。中学のとき、国語のテストを受けるコツを教師に教わったことがある。まず最初に、テストのいちばん最後にある作文問題に目を通し、それから最初に戻って順番に解答してゆく。そうすれば、解答しているあいだに、潜在意識が作文問題を考えることができる。コンピュータのバックグラウンド処理みたいなものだ、と。いまわかった。面壁者になった瞬間から思考がスタートしていて、停止したことは一度もなかった。ただ、すべての思考は潜在意識下で行われ、自分でもそれに気づいていなかったのだ。
劉 慈欣. 三体Ⅱ 黒暗森林(上) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4484-4489). Kindle 版.
しばらく業務にコミットせず、好き放題にやっていた「羅輯」。
しかし、娘と妻が冬眠され、本気で三体人の襲来に備えようとした時、羅輯の心境を描写したシーンです。
なるほど。
最初に最後の作文問題に目を通せば、潜在意識が働き、前半の問題を解く最中でも「無意識」が作文について考えてくれる、と。
わたし自身、この考え方に触れてから、試験への取り組み方が変わりました。
まず、可能な限り、試験開始直後に「全問題」に目を通します。
冒頭で後半まで目を通すことで、前半を解いている時間中、潜在意識が後半の問題を考えてくれます。
それゆえ、後半に到達した時、すでに思考が始まっているので解きやすくなるのです。
実際、先日受験した「カラーコーディネーター検定」で試しましたが、これは良いです。
冒頭で全体に目を通すだけで、前半の余裕が生まれました。
後半の難問に差し掛かっても、動じず回答できました。
これは何もテストだけに限らず、勉強や読書においても活用できます。
まずテキストの全ページに目を通し、最初からテキストを読み始めます。
潜在意識下では、読んでいない後半パートについて思考が始まるはず。
そしてこのバックグラウンド処理を進めたまま、前半から読めるので情報の吸収力が違うのです。
結果的に学習スピードが上がり、試験対策が苦でなくなります。
これから試験に挑戦する方は、羅輯のテストテクニックをお試してください。
それでは!
Ken

スーパー勉強家。独学でテストをハックする情報を発信します。
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